ペインクリニック

手のしびれや痛みは胸郭出口症候群かも?専門医による解説と治療法

胸郭出口症候群とは

手や指がしびれたり、指先が冷えたり、腕に力が入りにくくなったり、肩甲骨回りや上肢に痛みがでる疾患の総称です。肘や腕や背中が痛く、痛い場所をマッサージしたりストレッチしたりしても痛みが改善しないということはありませんか?
上記のような場合は胸郭出口症候群である可能性があります。

当院でも検査をおこなったら胸郭出口症候群だったという患者様が多くみられます。
今回は胸郭出口症候群についてお話します。

胸郭出口症候群の病態

胸郭出口症候群は上述したように手や指、肩甲骨周囲や腕に症状が出る疾患の総称です。
神経・血管が首から鎖骨の間を通り抜けて脇に向かうことを胸郭出口と言います。神経血管が胸郭出口のどこかで圧迫・絞扼されることで症状を引き起こします。
場所によって斜角筋症候群、小胸筋症候群、肋鎖症候群とも呼ばれますが、それらをひっくるめて胸郭出口症候群と呼ぶのが一般的です。

なで肩の女性、重いものを持つ仕事をされている方、デスクワークの方に多く見られます。重いものを持っている状態が長く続くと上肢が下に牽引されつづけて、神経が牽引されて症状を引き起こします。なで肩も同様です。

頚肋と呼ばれる胎生期に消失するものが大人になっても残っていることが原因になることもあります。
この場合は手術で切除します。

胸郭出口症候群の症状

手や指のしびれ・指先の冷え
肩甲骨周囲(背中側)や上肢への痛み
握力の低下や指先が動かしにくいなどの運動障害

上記の症状がよくみられます。
腕や指、背中に症状が出るため、症状がある部位に対してマッサージやストレッチをおこなっても効果が薄く、対象筋を狙う必要があります。

胸郭出口症候群の診断方法

多くの場合は、以下のテストで診断します。

ルーステスト

腕を肩と同じくらいの高さまで持ち上げ、肘を90度に曲げます。そのままの姿勢で手のグーパー繰り返します。この動作をおこなっているうちに症状が誘発され、腕を戻せば症状が楽になるというのが何度繰り返しても再現される場合は胸郭出口症候群の可能性が高まります。

モーレーテスト

鎖骨上部にある神経を圧迫したり、叩いたりすると嫌悪感や症状が出る場合は神経が圧迫されている可能性があります。このテストは左右比べるのが重要です。

アレンテスト

小胸筋と斜角筋を緊張させ、橈骨動脈の拍動の変化をチェックするテストです。
投稿動脈の拍動減弱がみられたら陽性です。

ルーステストはご自身でもチェックしやすいため、気になる方は一度実施してみてください。
※ただし、テストが陽性でも陰性でに自己判断に頼るのは厳禁です。

胸郭出口症候群の当院の治療法

胸郭出口症候群は患者様の圧迫されている箇所、生活様式、筋力、姿勢などによってアプローチすべきポイントが違います。
患者様の状態に合わせて、神経ブロック注射、薬物療法、手技療法、鍼灸療法、運動療法、パーソナルトレーニングによる筋力補強などをおこないます。
特に症状が強い場合に神経ブロック注射をおこないます。

神経ブロック療法についての説明はこちらをご覧ください(タップで別タブが開きます)

手技療法・マッサージ療法はこちらをご覧ください(タップで別タブが開きます)

 

予防のポイント

長時間のデスクワークは斜角筋などの緊張を高めるため、適度にストレッチや運動をおこなう
腕を万歳した状態での仕事は極力避ける
重いものを持ち上げる運動(バーベルを持ち上げる、重いリュックを背負う)などは避ける

上記を意識して生活をしてください。

最後に

胸郭出口症候群は現代人に多く見られる疾患です。ただ腕や指が疲労しているだけど放置していると、胸郭出口症候群が悪化してしまい治療に時間を要することもあります。
少しでも胸郭出口症候群じゃないか?と感じた方はすぐに当院までご相談ください。多角的な治療法で胸郭出口症候群を治療します。

コラム監修医師
こじまクリニック 院長小島 研太郎


「こじまクリニック」の診療科・所在地・電話番号などは下記をご覧ください。

 

所在地

診療科:ペインクリニック・整形外科
〒554-0013 大阪市此花区梅香1丁目21番12号
TEL:06-6466-1717

アクセス

■ 電車でお越しの方 

JR大阪環状線  駅からの順路
西九条駅から徒歩9分
●西九条駅から大阪シティバス(56号・59号・79号・81号)に乗車、此花朝日橋バス停下車すぐ
阪神なんば線  駅からの順路
●千鳥橋駅から徒歩3分
■ 車でお越しの方

北港通、千鳥橋交差点を東南東に曲がり、一つ目の信号を右折、2ブロック目。
駐車場については、
パーキングMAPをご覧ください

 

地 図

関連記事

最近の記事

  1. 多角的な治療で改善した腰椎椎間板ヘルニアの症例

  2. 片頭痛と緊張性頭痛の効果的な治療法

  3. 女性特有の肩こり症状と解消法