プラセンタ(メルスモン®とラエンネック®)注射について
プラセンタとは、胎盤のことを指します。胎盤には、細胞を育てて胎児の成長を促す栄養素が多く含まれています。胎盤から栄養素を抽出したエキス=プラセンタエキスを注射することで、様々な健康増進作用が期待できます。
プラセンタエキスはヒト、豚、羊の胎盤から精製されますが、プラセンタ注射に用いられるものはヒトプラセンタになります。
厚生労働省から認可されているヒトプラセンタはメルスモン®、ラエンネック®のみです。
プラセンタ注射としての作用はこれらの効果が期待できます。
・男性更年期障害
・肝臓の機能回復
・美容作用
※効果には個人差があります。
メルスモン®とラエンネック®の違い
メルスモン®とラエンネック®は製造工程に違いがありますが、基本的な効果は同じです。メルスモンは更年期障害や乳汁分泌不全の治療に、ラエンネックは肝機能障害の治療に使用されてきた歴史があります。
注射後の痛みに差が出る場合があります。
メルスモン®がオススメの方
疲れやすい、イライラ、意欲が出ない、くよくよする、関節が痛い、生理痛がつらい、怒りっぽい、息切れ、動悸等
・美容目的
お肌の代謝、シミの改善、お肌のハリ、抗酸化作用
ラエンネック®がオススメの方
疲れやすい、イライラ、意欲が出ない、くよくよする、関節が痛い、生理痛がつらい、怒りっぽい、息切れ、動悸等
・美容目的
お肌の代謝、シミの改善、お肌のハリ、抗酸化作用
・肝機能障害
・肝機能向上、飲酒量が多い
プラセンタのデメリット
一生涯献血ができなくなること
プラセンタは一度でも注射を受けると、一生涯にわたって献血ができなくなります。
厚生労働省 ヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用者の献血制限について
ヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用者の献血制限について
こちらもご参照ください。
プラセンタエキスはヒトの胎盤から抽出しているため、特定生物由来製薬に指定されています。
特定生物由来製薬とは、B型肝炎、C型肝炎、HIV、ヤコブ病、未発見のウィルス等に感染するリスクがあるものをいいます。
このように説明をすると、プラセンタ注射には恐ろしい感染症リスクがあるように思いますが、プラセンタ発売から現在(2023年8月1日)まで感染症の報告はございません。
アレルギーのリスク
プラセンタ注射はアレルギーのリスクがあります。
プラセンタエキスの原料である胎盤にはタンパク質が含まれていますので、タンパク室質アレルギーがある方は注意が必要です。
持病のアレルギー症状の増悪やアナフィラキシーショックを起こすリスクがあります。
重篤なアレルギーを引き起こした症例の報告はありません。
副作用
注射部位の赤み,痒み、腫れ
他には吐き気、寒気、発熱、ニキビ、不正出血、胸の張り等がみられることがあります。
初回のプラセンタ注射から数回目にこのような症状が現れやすいですが、1日程度でほとんどが治まります。
効果を持続させるためには、定期的な注射が必要
プラセンタの効果は、個人差がありますが3日~7日間、長くて数週間程度と言われています。
プラセンタ注射のペースは医師と相談して決めるのがよいでしょう。
定期的に注射しているものを、途中で中断するのは問題ありません。
まとめ
プラセンタ注射は、個人差がありますが、男女の更年期障害、肝機能向上、美容効果が期待できます。
プラセンタ注射はメルスモン®とラエンネック®の2種類あります。
メルスモン®は更年期障害の方にオススメです。
ラエンネック®は①に加え肝臓の機能向上にオススメです。
プラセンタ注射にはデメリットとリスクがあります。
プラセンタ注射を受けると、一生涯献血ができなくなります。
個人差はありますが、タンパク質アレルギー、副作用のリスクがあります。
プラセンタ注射は定期的に注射することで、より効果を実感することが可能です。
ご自身の症状やお悩みを医師と相談したうえでプラセンタ注射を打たれることをオススメ致します。
当院でもプラセンタ注射を取り扱っておりますので、ご相談ください。
コラム監修医師
こじまクリニック 院長小島 研太郎
「こじまクリニック」の診療科・所在地・電話番号などは下記をご覧ください。
所在地
- 診療科:ペインクリニック・整形外科
- 〒554-0013 大阪市此花区梅香1丁目21番12号
- TEL:06-6466-1717
アクセス