慢性痛の治療には運動が重要
このコラムでわかること
帯状疱疹後神経痛の症状
薬物療法と神経ブロック療法
鍼灸治療やマッサージ療法の役割
こじまクリニックでの多角的治療提案
慢性痛の治療には運動(運動療法)することも治療の選択肢に入ります。
ある実験では、健康な成人男性が1週間寝たきりでいると、15%程筋力が低下するというデータがあります。また、筋力低下だけではなく、柔軟性低下(関節が固まり、痛む)、心肺機能まで衰えてしまいます。寝たきりに近い状態や、持病や加齢による運動不足によって起こる身体の障害を廃用性症候群と言います。
例えば・・・
・肩が痛くて動かせない
・疲れやすい
・すぐに腰が痛くなる
・デスクワークで歩かない
このような方は筋力低下による弊害が起こっている可能性が高いです。寝たきり程の筋力低下はありませんが、着実に筋力が衰えています。
いくつか例を挙げてみます。
→膝関節を支える筋力が低下し、関節への負荷が増加
→関節が痛くなり、運動量が低下し、関節そのものが硬くなり、筋力がさらに低下
→慢性痛
→デスクワークで股関節や体幹が硬くなる
→腸腰筋、腹横筋などのコアマッスルの筋力低下、柔軟性低下
→筋力が低下したことで、背骨を支える筋肉の負担が増加、
→慢性痛
これらがすべてのパターンではありませんが、これらはよくある筋力低下がきっかけの慢性痛です。
また、身体は動かさないことだけで痛みを生じます。長時間のバス旅行、満員電車、偉い人の話を緊張してじっと聞いている、こういう時って体が凝ったりしんどくなったりした覚えは皆さんあると思います。これらの多くは一過性のものですが、日常的に運動不足に陥っていると、これが当たり前になってしまいます。
適度な運動、トレーニング、ストレッチを日常生活に組み込んで行うことが重要です。
肩こり・腰痛・膝の痛みに関してはこちらのコラムもご覧ください。
肩こりの原因と治療法:スマホやデスクワークが引き起こす症状を改善
運動すると痛みがひどくなる?
運動すると痛い、痛みがひどくなるのではないかと不安になると思います。
まず下記の2点をご理解ください。
最初はある程度仕方がない
動かしていない場所を動かしていますので、最初は痛むことが多いです。
関節が固まっていたり、使っていない筋肉を刺激しますので、痛みを伴う場合があります。
日頃運動はできていない方にとっては10分~20分の歩行でも相当な負荷になります。なので、動き始めが辛いのはある程度受け入れることも必要です。体を動かせている証拠なのです。
痛くても動かした方がいい場合がある
関節が固まっている場合は、痛くても動かした方がいい場合があります。関節が固まっているということは、関節そのものが痛みますし、筋肉が適切に伸びたり縮んだりすることが困難となり、筋肉のコリの原因にもなります。
慢性痛とは異なりますが、膝の手術の後は痛くてもすぐにリハビリが始まります。膝の靭帯断裂の場合でも、手術前からリハビリで筋力トレーニングをおこないます。それだけ筋力の減少によるデメリットは大きいのです。
お身体の状態にもよりますので、自己判断での運動は避けて専門家の指導を受けてください。
また、ぎっくり腰や肉離れなどの急性の痛みは原則安静が基本です。痛くても動かしてはいけません。症状の回復具合に応じて、運動療法が適応されます。
まずは歩くことから始めましょう
しっかりと歩けば、日頃から運動不足の方であれば十分な運動になります。
ただ漠然と歩くのではなく、以下の点に気をつけて歩きましょう
ながら歩きをしない
スマホ、本などで片手を固定し、下向きに歩くのは肩こりや首こり、腰痛の原因になります。
両手はフリーにして、しっかり腕を振って歩くよう心がけましょう。
前を見て、腕を振って歩くことで肩こりや首こりの解消にもつながります。
靴が適していない
ヒール、サンダル等は足関節や膝関節に大きな負担がかかり、痛みをひどくします。歩くのに適した靴を選んで履きましょう。
ペタペタペンギンのように歩く
膝から下だけで歩いている状態です。
踏み出した足の甲が見える程度の歩幅で股関節を使って歩きましょう。自分の骨盤幅で歩くのも良いです(腰に手を当てた横幅を縦幅に置き換えてください)。
歩幅、歩数にこだわり過ぎないようにしましょう。
歩く時間は10~30分、最初は何分でも良いです。何よりも継続することが最重要です。
運動はその人にとって負荷があれば十分です。15分歩いただけでも疲れるのであれば、最初はそれで運動になっています。
歩くのが習慣になってきたら
ウォーキングだけではカバーできない筋力、柔軟性などを向上させることを目指しましょう。
スクワット、ラジオ体操など簡単な運動を追加していくとよいでしょう。
こじまクリニックでパーソナルトレーニング・運動療法を受ける
ウォーキングだけでは補えない筋力トレーニングに最適です。
当院では、慢性痛の改善に運動が必要だと診断した方には、パーソナルトレーニング、運動療法をおこなっております。
マンツーマンで筋力トレーニング、ストレッチを指導しますので、正しい方法でトレーニングをしていただけます。
まとめ
運動をすることで、慢性痛が改善されることがあります。
まずは、簡単なウォーキングからスタートし、身体が動くことに慣れてきたら、スクワットやラジオ体操なども取り入れてみましょう。
こじまクリニックでは、慢性痛の患者様に対して、神経ブロック注射、運動療法、手技療法、マッサージ療法、鍼灸療法、パーソナルトレーニング、漢方療法、薬物療法などを併用して治療します。
患者さまの状態に合わせて、治療方針を提案いたします。
慢性痛でお困りの方はご相談ください。
コラム監修医師
こじまクリニック 院長小島 研太郎
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所在地
- 診療科:ペインクリニック・整形外科
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