筋筋膜性疼痛症候群(きんきんまくせいとうつうしょうこうぐん)とは

「レントゲンやMRI検査を受けたのに『骨や神経に異常なし』と言われた」
「痛む場所をほぐしてもらうと一時的に楽になるが、深い重だるさがすっきり取りきれない」
「ヘルニアの手術後、しびれは消えたのに腰や背中の痛みがずっと続いている」
身体に強い痛みがあるにもかかわらず明確な診断がつかない場合、あるいは他の疾患の治療を行っても痛みがすっきり改善しない場合、その原因は「筋筋膜性疼痛症候群(きんきんまくせいとうつうしょうこうぐん:以下MPS)」にあるかもしれません。
今回は大阪市此花区のペインクリニック専門医の視点から、MPSが起きる仕組みや「トリガーポイント」の正体、そして当院(こじまクリニック)で行うマッサージ療法をはじめとした多角的な専門治療について解説します。
💡 このコラムを読んでわかること
画像検査で映らない「慢性化した筋肉のコリ(MPS)」の正体
外傷・不自然な姿勢・精神的ストレスが血行不良を引き起こす仕組み
痛みの引き金となる「トリガーポイント(痛みの放散)」の特徴
なぜ痛む場所と「本当の原因部位(トリガーポイント)」が離れているのか
【トリガーポイント注射 → 手技・マッサージ・鍼灸 → 運動療法】という当院の複合的治療
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)とは?
MPS症候群とは”慢性化した筋肉のコリ”のことです。筋肉のコリが、首、肩、背中、腰に痛みを引き起こします。
MPS症候群の特長は、骨や関節に明確な異常がみられず、レントゲン検査などの画像検査に異常所見がみられないことが特徴です。
身体に痛みがあるにも関わらず診断がつかない場合はMPS症候群を疑います。また、診断名はあるが疾患の治療が順調ではない場合にも疑います。
MPS症候群の原因
筋肉が硬くなり、血行不良を起こしてしまうことが原因です。大きく分けて3つの原因に分けることができます。
1. 外傷によるもの(手術後の傷、激しい運動、肉離れ、打撲など)
外傷によって筋肉が損傷して炎症を起こし、それらが慢性化したことにより筋肉内の血行不良を起こしたことが原因とされます。
例えば、椎間板ヘルニアの手術後に「しびれは取れたけどまだ腰が痛む」などもMPS症候群を疑います。
2. 姿勢の悪さ、運動不足、加齢による筋肉量減少
外傷がない場合でも、日常的に負担が掛かったり、筋肉を使えていない場合でも血行不良を起こして筋肉が痛みを出します。デスクワークを長年続けた結果起こる肩こりや腰痛はMPS症候群の可能性があります。
3. 心因性・精神的ストレス
嫌なことをしているとき、怒られたとき、辛い仕事をしているときというのは、身体は緊張状態に陥り、自律神経が興奮します。このような状態は筋肉を硬くし、血流を悪くします。また、痛みはストレスによって強く感じることもあります。精神的ストレスは筋肉のコリを生み出す原因のひとつといっても良いでしょう。
MPS症候群の症状とトリガーポイント
MPS症候群は、筋肉内に押すと痛む「硬いコリ」が存在します。これをトリガーポイントといいます。
トリガーポイントと「放散痛」
トリガーポイントは、押した部分が痛み、周囲に痛みを広げます(放散痛といいます)。痛みの他にはだるさ、不快感などが慢性的に起こります。
自覚している痛みとトリガーポイントが一致する場合は治療が簡単ですが、自覚している痛みの部分とは違う場所にトリガーポイントが存在することもありますので、探し出すことが重要です。
例: 肩にある筋肉のコリを押したら、背中にまで痛みが広がるなど
Q&A:痛む場所だけをマッサージしても症状が戻ってしまうのはなぜ?
Q. 自覚している痛い場所をマッサージしても、また痛みが戻ってしまうのはなぜですか?
A. 自覚している痛みの場所と、本当の原因(トリガーポイント)が違う場所にあることが多いからです。
MPS症候群では、痛みを自覚している場所から離れた部位にあるトリガーポイントが「放散痛」として痛みを広げているケースが少なくありません。
表面の痛む部分だけをほぐすだけでなく、専門的なアプローチによって隠れた原因部位(トリガーポイント)を探し出し、深い筋肉のコリや血行不良までしっかりアプローチすることが改善につながります。
筋筋膜性疼痛症候群とは?|腰痛や肩こりの裏にある隠れた原因と治療法
こじまクリニックでのMPS症候群の治療法
MPS症候群は慢性化し、一筋縄ではいかないことが多いです。神経ブロック注射、鍼灸療法、手技療法、運動療法などを組み合わせることが効果的であり、様々な治療を組み合わせて多角的な治療を行うことが重要です。
| 治療カテゴリー | 主な治療内容 | 目的と効果 |
| 神経ブロック注射 | トリガーポイント注射 | トリガーポイントに対して注射を行うことで、筋肉の緊張をほぐし、血行不良を改善して慢性化の悪循環を断ち切ります。 |
| 手技・マッサージ・鍼灸 | 手技療法・マッサージ療法・鍼治療 | トリガーポイントに対して鍼や手技で施術を行うことで、筋肉の緊張をゆるめ、血行を改善する効果が期待できます。 |
| 運動療法・環境改善 | 運動療法・生活環境のアドバイス | 必要に応じて運動療法を行い、心理的ストレスや生活環境の改善を図ることで痛みを和らげます。 |
当院では、鍼灸師、柔道整復師が常駐しておりますので、神経ブロック注射と併せて多角的なアプローチが可能です。また、心因性・精神的ストレスが関与していることもありますので、患者様ごとに状況をお聞きしたうえで改善策をご提案いたします。
MPS症候群のまとめ
原因がはっきりとしない痛みを筋筋膜性疼痛症候群(MPS症候群)と言います。
日常的な筋肉への負担、運動不足、手術による傷、ケガなどによる筋肉の損傷がきっかけとなり、慢性的な血行不良を起こしたものが筋肉のコリを引き起こします。それらはトリガーポイントといわれ、痛みの引き金となります。
MPS症候群の治療には、神経ブロック注射、鍼治療、手技療法を併用して行うことが有効です。治療効果があったものを選択して治療を続けていくことが重要です。また、心理的ストレスが痛みを増悪させるため、生活環境を改善することで痛みが落ち着くこともあります。
原因がはっきりとわからない痛みはペインクリニックの得意分野です。お悩みの際は、お気軽にご相談ください。
コラム監修医師
こじまクリニック 院長小島 研太郎
「こじまクリニック」の診療科・所在地・電話番号などは下記をご覧ください。
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- 診療科:ペインクリニック・整形外科
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